『職場はどうなる 労働契約法制の課題』
2006年3月20日,明石書店より刊行
もくじ
はじめに (道幸哲也)
Part I 総論
第1章 我々はどこにいるか (道幸哲也)
- 現在の職場状況と労働法
- 法律が前提とする社会像・人間像
- 労働条件はどのように決まっているか
- 労働契約法理の現在
第2章 何のための労働契約法制か (國武英生)
- 労働契約法制の必要性
- 労働契約法制の目的
- 法的規制のあり方
- 検討すべき課題
第3章 誰に労働契約法制が適用されるのか (國武英生)
- 「労働者」概念
- 「使用者」概念
- これまでの議論の問題点と見直しの試み
- 労働契約法制の対象とする者の範囲
第4章 労働者を代表しうる主体とは? (斉藤善久)
- 総論
- わが国における労働者代表システム
- 最終報告のアイデア
- 就業規則不利益変更法理
- 最終報告の問題点
Part II 労働関係の成立
第5章 労働契約をどう成立させるとよいのか? (紺屋博昭)
- 労働契約が成立するとは?
- 「試しに働かされること」を考える!
- 労働条件の明示とは?
- 労働関係の展開過程にて残された課題
Part III 労働関係の展開
第6章 就業規則の法理 (本久洋一)
- 就業規則をめぐる基本問題
- 就業規則の最低基準的効力
- 就業規則の拘束力(労働者を拘束する効力)
- 立法論的検討
第7章 労働条件変更の法理 (本久洋一)
- 労働条件変更をめぐる基本問題
- 指揮命令権による労働条件変更
- 留保変更権による労働条件変更
- 合意による労働条件変更
- 変更契約告知による労働条件変更
- 就業規則の不利益変更による労働条件変更
- 立法論的検討
第8章 使用者は労働者にいかなる指示・命令を出しうるか (山田
哲)
- いかなる問題が生じているのか
- 業務命令の法的根拠
- 業務命令権濫用の成否
- 業務命令の具体例
- 最終報告をめぐって
第9章 なぜ使用者は労働者に制裁を科すことができるのか (山田
哲)
- いかなる問題が生じているか
- 懲戒権の根拠
- 懲戒処分の手段
- 懲戒事由
- 懲戒権の濫用
- 最終報告をめぐって
第10章 労働契約に「付随」する義務とは? (斉藤善久)
- 総論
- 使用者の付随的義務
- 労働者の付随的義務
Part IV 労働関係の終了
第11章 現行の法律・判例法理の内容と問題点の検討 (小宮文人)
- 解雇
- 内定の取消し
- 懲戒解雇
- 有期労働契約
- 休職期間の満了
- 辞職と合意解約
第12章 報告書の評価と若干の提言 (小宮文人)
- 解雇
- 内定の取消し
- 懲戒解雇
- 有期労働契約
- 休職期間の満了
- 辞職と合意解約
Part V 労働時間規制
第13章 ホワイトカラーエグゼンプションとは何なのか (大石
玄)
- 労働時間規制はどのように移り変わってきたのか
- いつホワイトカラーエグゼンプションが現れたのか
- なぜホワイトカラーエグゼンプションなのか
- いったいホワイトカラーエグゼンプションとは何なのか
- ホワイトカラーエグゼンプションはどう捉えられているか
- 今後の展望
筆者紹介
道幸 哲也 (どうこう・てつなり)
小宮 文人 (こみや・ふみと)
- 1948年,神奈川県生まれ。北海道大学法学部卒。ロンドン大学経済政治学院
Ph.D. 博士(法学)。現在,北海学園大学法学部教授。著書に,『英米解雇法制の研究』(信山社),『イギリス労働法入門』(信山社),『雇用をめぐる法律問題』(旬報社:共著)など。
本久 洋一 (もとひさ・よういち)
- 1966年,兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒。現在,小樽商科大学商学部企業法学科助教授。著作に,「フランスにおける企業移転と労働契約」『日本労働法学会誌』94号,「違法解雇の効果」『講座21世紀の労働法〔4〕労働契約』(有斐閣),「解雇制限の規範的根拠」『日本労働法学会誌』99号,「企業間ネットワークと雇用責任」『日本労働法学会誌』104号など。
紺屋 博昭 (こんや・ひろあき)
- 1969年,北海道生まれ。北海道大学法学部卒。博士(法学)。現在,弘前大学人文学部助教授。著作に,「回顧と展望 解雇法制」『日本労働法学会誌』103号,「支配企業に対する従属会社労働者の団交アプローチ」『日本労働法学会誌』104号,「信金労組役員の懲戒解雇、同解雇が無効とされた後の就労拒絶、そして同信金代表理事らの善管注意義務および忠実義務」『法律時報』78巻2号など。
斉藤(押見)善久 (さいとう・よしひさ)
- 1970年,岡山県生まれ。北海道大学法学部卒。博士(法学)。現在,北海道大学助手。著作に,「ベトナムの市場経済化と労働組合のドイモイ」『日本労働法学会誌』102号,「労働協約に記名押印した組合員と会社代表者の間における私法上の合意の成立」『法律時報』77巻2号など。
山田 哲 (やまだ・てつ)
- 1970年,北海道生まれ。中央大学法学部卒。現在,北海道大学助手。著作に,「ドイツ企業年金法における受給権保障の構造」『日本社会保障法学会誌』18号,「確定拠出年金法と労働法上の問題点」『日本労働法学会誌』99号,「2001年ドイツ企業年金法改正とその背景」『年金と経済』21巻3号など。
大石 玄 (おおいし・げん)
- 1972年,北海道生まれ。北海道大学法学部卒。現在,同大学大学院法学研究科博士課程。著作に,「傷病休職をめぐる最近の裁判例」『労働法律旬報』1488号,「スペインの従業員代表制度」『日本労働法学会誌』106号など。
國武 英生 (くにたけ・ひでお)
- 1975年,新潟県生まれ。北海道大学法学部卒。現在,同大学大学院法学研究科博士課程。著作に『コンプライアンスと内部告発』(日本労務研究会:共著),「イギリスの公益情報開示法」『労働法律旬報』1545号,「公益通報者保護法の法的問題」『労働法律旬報』1599号など。
関連資料