▼ 1月
● 1月7日
- 井上 浩平 (北海道大学大学院)
- 未支給国民年金一部不支給決定取消等請求控訴事件 東京高判 平23年4月20日 裁判所ウェブサイト参照
- 平成19年改正前の国民年金法における、年金の支給を受ける権利(支分権)の消滅時効の起算点が、裁定時ではなく、各支払期であると判示した原審の判断を支持した例。
- 黒田 有志弥 氏 (国立社会保障・人口問題研究所研究員)
● 1月21日
- 國武 英生 (小樽商科大学)
- 公益通報者保護法をめぐる法的問題の検討――オリンパス事件東京高裁判決を素材に
- オリンパス事件 東京高判 平成23年8月31日 労経速2122号3頁
- 山田 哲 (東京農大網走)
● 1月28日
- 小笠原 萌 (北海道大学研究生)
- フェイス事件 東京地判 平成23年8月17日 労契速2123号27頁
- 被告と労働契約を締結し、被告の中国現地法人の社長として勤務した原告が、業績不振による中国現地法人売却によって被告において原告が遂行する職務が消滅したとの理由でなされた解雇が無効であるとして、労働契約上の権利を有する地位の確認と給与の支払いを求めた事案。
- 加藤 正佳 (弁護士)
- ジェイアール総研サービス事件 東京高判 平成23年8月2日 労判1034号5頁
- 守衛の休憩及び仮眠時間が労基法上の労働時間にあたらないとして時間外割増賃金・深夜割増賃金請求を否定した一審判決(東京地立川支判平成21年12月16日労判1034号号17頁)を変更し,当該請求が認められた事例。
▼ 2月
● 2月4日
- 中島 哲 (弁護士)
- 阪急トラベルサポート(派遣添乗員・第1)事件 東京高裁 平成23年9月14日判決 判例集未掲載
- 派遣添乗員について事業場外労働のみなし労働制の適用が否定された事例
- 池田 悠 (北海道大学)
- 国・中労委(昭和シェル石油)事件 東京高判 平成22年5月13日 労働判例1007号5頁
- いわゆる大量観察方式を否定した一審判決とは異なり、活発な組合活動を行っていた6名の査定結果が同期・同性・同学歴者の中で著しく低位に位置づけられていたことは、活発な組合活動を行っていたがゆえになされたものではないかとの推認が働くとした事例。
● 2月18日
- 上田 絵理 (弁護士)
- 京都市事件 最三小判 平成23年7月12日 判タ1357号70頁
- 市立小学校又は中学校の教諭らが勤務時間外に勤務に関連する事務等に従事していた場合において、その上司である各校長に上記教諭らの心身の健康を損なうことがないよう注意すべき義務に違反した過失があるとはいえないとされた事例。
- 平澤 卓人 (弁護士)
- モリクロ事件 大阪地判 平成23年3月4日 労判1030号46頁
- 就業規則の競業避止義務の違反を根拠にする退職金不払について、原告らが従事していた業務内容は専門的な技術が必要となるが、この者が他に転職する場合には限られた範囲でしか就職を得られないとして、競業避止義務には合理性がないとして退職金の支払を認容した判決。
● 2月25日
- 北岡 大介 (社会保険労務士)
- 福岡中央労基署長事件 東京地判 平成22年6月9日 労経速2087号3頁
- 不正経理を解明するために行われた事情聴取の後、精神障害によって自殺した労働者の遺族による労災不支給決定取消の訴えが否定された例。
- 菊池 馨実 (早稲田大学法学学術院教授)
▼ 3月
● 3月3日
- 松田 朋彦 (北海道大学大学院院)
- カナッツコミュニティほか事件 東京地判 平成24年6月15日 労判1034号29頁
- 守秘義務違反、違法な競業活動を理由として、退職した従業員等に対する出向先会社からの損害賠償請求が一部認められた事案。
- 淺野 高宏 (北海学園大学,弁護士)
- 医療法人共生会事件 東京地判 平成23年4月28日 労判1037号86頁
● 3月10日
- 所 浩代 (北海道大学助教)
- 労働者の人格的利益と就労請求権――学校法人兵庫医科大学事件を題材に
- 参考) 学校法人兵庫医科大学事件 大阪高判 平成22年12月17日 労判1024号37頁
- 開本 英幸 (弁護士)
- 十象舎事件 東京地判 平成23年9月9日 労判1038号53頁
- 従業員の出退勤管理を行っていない被告会社において,原告従業員が出退社の記録のため,出退勤のたびに自ら作成していたテキストファイルの保存時刻が,原告従業員の出退社時刻にあたると認定された例。
● 3月17日
- 村田 英之 (弁護士)
- 大阪市・大阪市議会(チェック・オフ)事件 大阪地判 平成23年8月24日 労判1036号30頁
- 大阪市職員で構成されている労働組合が、従前の給与条例で認められていたチェックオフが条例改正により廃止されたことを受けて、その取消しおよび国賠を請求したが、いずれも否定された例。
- 池田 悠 (北海道大学)
- 労働者の多様化と高齢者雇用――高年法上の雇用確保措置を中心に
● 3月24日
- 高波 千代子 (北海道大学大学院)
- 加藤 智章 (北海道大学大学院)
- 健康保険受給権確認請求事件 最判 平23年10月25日 (裁時1542号3頁,TKC25443898)
- 単独であれば保険診療となる療法と先進医療であり自由診療である療法とを併用する混合診療が健康保険法86条所定の保険外併用療養費の支給要件を満たさない場合には、保険診療に相当する診療部分についても保険給付を行うことはできない。
● 3月31日
- 香川 志野 (弁護士)
- 秋田港湾事件 仙台高秋田支判 平成23年7月27日 労経速2122号3頁
- 賃下げ合意が錯誤無効ではないとして差額賃金の支払いを認めなかった事例。
- 迫田 宏治 (弁護士)
- エヌ・ティ・ティ・コムチェオ事件 大阪地判 平成23年9月29日 労判1038号27頁
- 1回労働契約を更新した後の雇止めを無効と判断した事例。
▼ 4月
● 4月7日
- 加藤 正佳 (弁護士)
- 損害賠償請求事件 最二小判 平成24年2月24日 公刊物未登載(最高裁ウェブサイト)
- 労働者が使用者の安全配慮義務違反を理由に債務不履行に基づく損害賠償を請求するため訴訟追行を弁護士に委任した場合,相当額の範囲内の弁護士費用は上記安全配慮義務違反と相当因果関係に立つ損害というべきであるとした事例。
- 國武 英生 (小樽商科大学)
- 全日本手をつなぐ育成会事件 東京地判 平成23年7月15日 労判1035号105頁
- 都労委への証人出頭に伴う不就労を理由とした賃金カットが違法とされ、また、公民権の行使等に要した時間に対応した賃金を不支給とする就業規則の変更が無効とされた例。
● 4月14日
- 井上 浩平 (北海道大学大学院)
- 片桐 由喜 (小樽商科大学)
- 損害賠償請求事件〔小倉北自殺事件〕 福岡地小倉支判 平成23年3月29日 賃社1547号42頁
- 生活保護申請時に違法な対応をされ、また、違法に廃止されたことにより父が自殺したとして、その子らが被告市に対し損害賠償請求をした事例。
● 4月21日
- 松田 朋彦 (北海道大学大学院)
- 連帯ユニオン関西地区生コン支部(トクヤマエムテックほか)事件損害賠償請求事件 大阪地判 平成23年9月21日 労判1039号52頁
- 組合等が行った街宣活動や出荷業務妨害といった業務妨害行為への、X社の差止めと損害賠償請求がともに認容された事例。
- 南 知里 (弁護士)
- ジェイ・ウォルター・トンプソン・ジャパン事件 東京地判 平成23年9月21日 労判1038号53頁
- 整理解雇とその他の普通解雇とでは,相当程度性質が異なり,その判断要素ないし判断基準も異なる以上,基本的には本件解雇の有効性を立証すべき責任を有する被告Y社の主張の力点の置き方を尊重することとし,まずは一般的な普通解雇の成否を検討することとし,整理解雇については予備的な主張と位置づけるのが適切であるとされた例。出勤を許さず,成果を挙げる機会も与えずに行なった解雇が無効とされた例。
● 4月28日
- 小笠原 萌 (北海道大学大学院)
- 産業医賠償命令事件 大阪地判 平成23年10月25日 労経速2128号3頁/判時2138号81頁
- 自律神経失調症で休職中の労働者Xが、産業医Yの言動により症状が悪化し復職時期が遅れたこと、精神的苦痛を被ったことから、Yの言動が産業医としての注意義務に反していたとして、その不法行為に基づく損害賠償請求が認められた事案。
- 南 健悟 (小樽商科大学)
- 大庄ほか事件 大阪高判 平成23年5月25日 労判1033号24頁
- 飲食店店員の死亡について取締役らの任務懈怠が認められた事例。
- 大石 玄 (釧路高専)
- 富士ゼロックス事件 東京地判 平成23年3月30日 労判1028号5頁
- 出退勤につき虚偽の申告を行っていたことが判明したことを契機としてなされた退職の意思表示につき,錯誤による無効なものとされ,その効力が否定された例。
▼ 5月
● 5月12日
- 川村 行論 (北海道大学大学院)
- 給付手法を軸とした社会保障法学の基礎的考察――イギリス法を参照して
- 松本 勝明 (北海道大学公共政策大学院)
- 国境を越える人の移動に対応した社会保障の調整――新たなEU規則の意義と課題
● 5月26日
- 田島 麻紀子 (弁護士)
- 日本航空(雇止め)事件 東京地判 平成23年10月31日 労判1041号20頁
- 後に正社員に雇用形態を切り替えることが念頭に置かれた有期労働契約の雇い止めが有効とされた事例。
- 平澤 卓人 (弁護士)
- 損害賠償・残業代支払請求控訴、同附帯控訴、仮執行による原状回復請求申立て事件 最判 平成24年3月8日 裁時1551号4頁
- 基本給を月額41万円と定めた上で月間総労働時間が180時間を超える場合に時間当たり一定額を別途支払うなどの約定のある雇用契約の下において、各月の上記一定の時間以内の労働時間中の時間外労働についても、使用者が基本給とは別に割増賃金の支払義務を負うとされた事例。
▼ 6月
● 6月2日
- 淺野 高宏 (弁護士・北海学園大学)
- スタジオツインク事件 東京地判 平成23年10月25日 労判1041号62頁
- 退職した従業員による時間外割増賃金請求がなされた事案において、使用者には労働時間を管理する義務があることを前提に、合理的な理由なく使用者が労働時間管理資料の提出をしない
場合には、公平の観点に照らして、合理的な推計方法により労働時間を算定することが許されるとした例。
- 池田 悠 (北海道大学)
- 日本航空(客室乗務員・整理解雇)事件 東京地判 平成24年3月30日 判例集未搭載
- 会社更生法の適用を受けた航空会社において、会社更生手続下で策定された事業計画によって、多数の余剰人員が発生することから客室乗務員が整理解雇された事例。
● 6月16日
- 井上 周平 (北海道大学大学院)
- Y工業事件 大阪高判 平成23年4月14日 賃社1538号17頁
- 社会保険料算定の基礎となる報酬月額の過少申告が不法行為とされた事案。
- 川久保 寛 (北海道大学大学院)
- ドイツ介護保険法の基本構造――施行後の改正に着目して
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