▼ 7月
● 7月3日
- 北岡 大介 (社会保険労務士)
- 阪急トラベルサポート事件 東京地判 平成22年5月11日 (公刊物未登載)
- 橋本 孝夫 (小樽市)
- 住友ゴム工業事件 大阪高判 平成21年12月22日 労判994号81頁
- 退職者が加入した組合との石綿に関する団体交渉応諾義務を認めた原判決を相当とした例。
- 広島県(教育委員会)事件 東京高判 平成21年7月15日 別冊中時1388号56頁
- 地方公営企業職員(県学校現業職員)に対する懲戒処分等に関する県教育委員会の団交応諾義務を認めた原判決を相当とした例。
● 7月17日
- 戸谷 義治 (学振研究員)
- 近若石油ほか(労基法32条1項違反・刑事)事件 最一小判 平成21年7月16日 判時2060号158頁
- 三六協定時間を超えた時間外労働があるときには,原則的な労働時間制の下では,始期から順次1週間について40時間の法定労働時間を超えて労働させた時間を積算し,協定時間に至るまでは協定の効力によって時間外労働の違法性が阻却されるが,これを超えた時点以後は,1週間について40時間を超える時間外労働がある各週につき同法32条1項違反の罪が成立するとし、週単位の時間外労働の規制違反に係る訴因の特定が不十分で,その記載に瑕疵がある本件のような場合,訴因変更と同様の手続を採ってこれを補正しようとした検察官の予備的訴因変更については,適正な訴因となるように措置した上,これを許可すべきであるとした事例。
- 所 浩代 (北海道大学助教)
- 国・中労委(ブックローン)事件 東京地判 平成22年2月10日 労判1002号20頁
- 高年法の継続雇用に関する労使協定を締結する資格のない組合が協定締結交渉過程において、団交を申込み、拒否されたところ、裁判所は、組合員の労働条件に関する基準を交渉課題とするものであるから、高年法上の協定締結資格がないことは、団交拒否の正当事由とならないと判断した例。
- 高橋 和征 (弁護士)
- 東大阪市環境保全公社(仮処分)事件 大阪地判 平成22年1月20日 労判1002号54頁
- 期間6ヶ月の契約を10〜24回更新してきた臨時職員たる債権者Aらに対する雇止めにつき、毎年4月と10月に行われている更新のうち、4月の更新については更新に対する合理的期待が生じていないが、10月の更新については更新に対する合理的期待が生じているとして、10月の更新について解雇権濫用法理を類推し、雇止めに合理的な理由がないとして、無効とされた例。
● 7月24日
- 千田 航 (北海道大学大学院)
- 川久保 寛 (北海道大学大学院)
▼ 8月
● 8月21日
- 山田 哲 (東京農大)
- スキールほか(外国人研修生)事件 熊本地判 平成22年1月29日 労判1002号34頁
- 外国人研修生が研修期間中においても最賃法所定の「労働者」に該当するとされ、未払賃金、割増賃金および付加金の請求ならびに人格権侵害を理由とする損害賠償請求が認容された例。
- 道幸 哲也 (北海道大学)
● 8月28日
- 浅野 高宏 (弁護士)
- 開本 英幸 (弁護士)
- 不当労働行為事件の審査手続をめぐる諸問題――継続する行為・証人出頭命令・物件提出命令を中心に
▼ 9月
● 9月4日
- 南 健悟 (小樽商科大学)
- 取締役の労働者に対する損害賠償責任――取締役の対第三者責任の適用範囲
- 小宮 文人 (北海学園大学)
● 9月11日
- 上田 絵理 (弁護士)
- 三井記念病院(諭旨解雇等)事件 東京地判 平成22年2月9日 労働判例1005号47頁
- 特別養護老人ホームの副施設長の地位にあった者が業務上の必要性なく教育研修センター長へと配置転換を命じられ、その後に降格されたうえ、不当に諭旨解雇されたとして、雇用契約上の地位確認、毎月の賃金支払、不当な配転・降格および諭旨解雇に対する慰謝料支払い等を請求した事件。
- 渡辺 賢 (大阪市立大学)
● 9月18日
- 片桐 由喜 (小樽商科大学)
- 損害賠償請求控訴事件 東京高判 平成22年2月18日 判例集未登載
- 市職員の誤った教示で障害年金を受給できなかったとして,国と市に損害賠償を求めた事案で,職員は,障害者手帳を確認したのみで障害基礎年金の支給に関して誤った判断をしたもので,市だけでなく受給資格審査を委任している国にも賠償責任があるとした上で,不法行為から訴え提起まで20年を経過していないから,本件については除斥期間について判断する必要はないとして,請求を棄却した一審判決を取り消し,賠償金の支払を命じた事例。
- 加藤 智章 (北海道大学)
● 9月25日
- 迫田 宏治 (弁護士)
- 東京シーエスピー事件 東京地判 平成22年2月22日 労働判例1005号60頁
- 駅巡回警備員の労働時間について、所定始業時刻の30分前の時刻が出勤時刻とされ、下番報告の30分後の時刻が退勤時刻であるとされた例。
- 白 諾貝 (弁護士)
- 国・中労委(東急バス)事件 東京地判 平成22年2月22日 労働判例1004号61頁
- 組合併存化の残業割り当て・郵便受渡し差別,団交拒否等の不当労働行為性について。
▼ 10月
● 10月2日
- 川久保 寛 (北海道大学大学院)
- 生活保護変更決定取消請求控訴事件 福岡高判 平成22年6月14日 公刊物未登載
- 厚生労働大臣が行った保護基準の改定(老齢加算の廃止)が生活保護法56条にいう「正当な理由」を欠くとして生活保護変更決定が取り消された事例。
- 加藤 智章 (北海道大学)
● 10月9日
- 平澤 卓人 (弁護士)
- サクセスほか(三佳テック)事件 最判 平成22年3月25日 労判1005号5頁
- 退職後の競業避止義務に関する特約等の定めなく退職した従業員において、別会社を事業主体として、X会社と同種の事業を営み、退職した会社の取引先から継続的に仕事を受注した行為が退職した会社に対する不法行為に当たらないとされた事例。
- 中島 哲 (弁護士)
- コーセーアールイー事件 福岡地判 平成22年6月2日 労経速2077号7頁
- 労働契約が締結される旨の原告の期待は、法的保護に値するとして、内々定取消をした会社に対し、慰謝料の支払いを命じた例。
● 10月30日
- 辻村 昌昭 (淑徳大学)
- 公法・私法一元論と人格権 ―― 不当労働行為救済法理との関係で
- 淺野 高宏 (弁護士)
▼ 11月
● 11月6日
- 山田 哲 (東京農大網走)
- 宮崎信金事件 宮崎地判 平成21年9月28日 判タ1320号96頁
- 判決で解雇が無効とされた後に労働者を復職する際、使用者は雇用契約に付随する義務として、当該労働者の厚生年金の被保険者資格を回復させることについて労働者が資格回復方法を合理的に選択できるよう具体的に説明する義務を負うところ、当該義務違反を理由に損害賠償を認めた事例。
- 早坂 悟郎 (弁護士)
- S工業事件 最判 平成22年2月16日 労判1007号54頁
- 食事をともにすること,メールへの対応等を条件に,上司である被告から経済的支援を受けていた原告による,セクハラ,パワハラを理由とする慰謝料請求が棄却された例。
● 11月13日
- 戸谷 義治 (日本学術振興会特別研究員)
- 国・中労委(NTT西日本)事件 東京地判 平成22年2月25日 判時2079号128頁
- 使用者が多数派労働組合とのみ経営協議会を設けている場合において、経営協議会で提示された資料や説明内容が団体交渉における説明・協議の基礎となるときは、使用者は、少数派労働組合から求められれば、団体交渉において必要な限りで同様の資料の提示や説明を行う必要があり、当該少数派労働組合との団体交渉における使用者の対応がこれらの点において不誠実であったとして労組法7条2号の不当労働行為該当性が認められた事例。
- 団体交渉における使用者の対応について、労組法7条2号の不当労働行為に当たるが、同条3号の不当労働行為には当たらないとした中労委命令に対して使用者が提起した当該救済措置部分の取消しを求める訴訟において、被告側に訴訟参加した労働組合は、共同訴訟人とは異なり、独自の訴訟上の請求をしている者ではないから、中労委命令のうちの当該棄却部分の判断が誤っていると主張していても、審理の対象でないとされた事例。
- 平澤 卓人 (弁護士)
- 康正産業事件 鹿児島地判 平成22年2月16日 労判1004号77頁
- レストランの店長だった原告が低酸素脳症を発症して寝たきりになった事案について、会社の勤怠記録より多い時間就労していたことを会社が認識していたことを認定し、安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求を認容したほか、パートアルバイトの採用権限があり、店舗運営に関する一定の権限が合ったことを認めつつ管理監督者性を否定し残業代の請求を認めた事例。
● 11月20日
- 川村 行論 (北海道大学大学院)
- 「実効的」な所得保障制度に関する社会保障法的考察
―― 租税政策と社会保障政策との協働の観点から
- 西山 裕 (北海道大学公共政策大学院)
● 11月27日
- 橋本 孝夫 (小樽市)
- 東京都教委教職員・再雇用等事件 東京高判 平成22年1月28日 判例時報2086号148頁
- 卒業式等での国家斉唱の際に不起立であった都立高校の元教職員等に対する再雇用の不合格は、教育委員会の裁量権の著しい濫用ないし逸脱に当たらないとされた事例。
- 淺野 高宏 (北海道大学,弁護士)
- 小野リース事件 最三小判 平成22年5月25日 判例時報2085号160頁
- 労働審判に対し適法な異議の申立てがあったため訴訟に移行した場合において、当該労働審判は民訴法23条1項6号にいう「前審の裁判」に当たるか(消極)
- 統括事業部長を兼務する取締役の地位にある従業員に対して会社がした普通解雇が、当該従業員に対する不法行為を構成するとはいえないとされた事例
▼ 12月
● 12月4日
- 所 浩代 (北海道大学助教)
- J学園(うつ病・解雇)事件 東京地判 平成22年3月24日 労働判例1008号35頁
- 中高一貫校の教員Xのうつ病発症は、業務に起因するものではなく、休職に至るまでの学校Yの一連の対応には、安全配慮義務違反が認められないとされた例。
- 就業規則の解釈をあやまり、規定よりも短い期間で復職させたこと、復職に際して、主治医に問い合わせなどをしていないこと等に照らすと、休職満了による本件解雇は違法であるとされた例。
- 川久保 寛 (北海道大学大学院)
● 12月11日
- 上田 絵理 (弁護士)
- 藍澤証券事件 東京高判 平成22年5月27日 労判1011号20頁
- 求人票に雇用形態につき「正社員」と記載されていたとしても、本件採用時の態様等に照らし、X・Y社間の雇用契約関係は、期間の定めのある第1契約の契約書の内容で合意され、第2契約においてこれを更新したものであるとされた例。
- 障害者雇用促進法は、障害者である労働者に対しても努力義務を定めており、事業者が労働者の自立した業務遂行ができるよう相応の支援及び指導を行った場合には、当該労働者も業務遂行能力の向上に努力する義務を負うものであって、Y社がXの能力に見合った業務に従事させたうえ、適正な雇用管理を行っていたにも関らず、Xが作業上のミスを重ね、指導を受けても改善を図らなかったばかりか、失敗を隠蔽していたものであるとして、雇止には合理性が認められるとされた例。
- 平澤 卓人 (弁護士)
- NTT西日本ほか(全社員販売等)事件 大阪地判 平成22年4月23日 労判1009号31頁
- 通信事業等を営む会社における全社員販売(友人や家族にNTTグループの商品や地方の特産品を購入してもらう活動)、WEB学習(インターネット回線を介して行われる学習で自宅でも可能なもの)の労働時間性がそれぞれ肯定された事例。
● 12月18日
- 迫田 宏治 (弁護士)
- 阪急トラベルサポート(派遣添乗員・第2)事件 東京地判 平成22年7月2日 労判1011号5頁
- 海外旅行の添乗業務に従事した登録型派遣添乗員の業務について、労基法38条の2第1項の「労働時間を算出し難いとき」に該当すると判断された例。
- 道幸 哲也 (北海道大学)
▲ 先頭へ
