▼ 1月
● 1月12日
- 淺野 高宏 (弁護士)
- セントラル・パーク事件 岡山地判 平成19年3月27日 労働判例941号23頁
- 就業規則その他これに準ずるものにより各週、各日の所定労働時間の特定がされているとは認めがたいとして、1ヶ月単位の変形労働時間制の適用が認められなかった例。
- ネットブレーン事件 東京地判 平成18年12月8日 労働判例941号77頁
- 過去に遡って懲戒解雇することは認められず、本件懲戒解雇が効力を生ずる余地はなく、紛争解決後まで支払を猶予する旨の不確定期限を付する合意は、就業規則(退職金の精算方法を定めた取扱規程)で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約であるから、労基法93条に反して無効であるとして原告の退職金清算金、賞与の請求が一部認められた例。
- 斉藤 善久 (北海道大学講師)
- 都市開発エキスパート事件 横浜地判 平成19年9月27日 労経速1986号3頁
- 賃金引下げを許容した労働協約の一般的拘束力により非組合員の賃金請求を斥けた例。
● 1月19日
- 山田 哲 (東京農大非常勤講師)
- 日本郵政公社事件 東京高判 平成19年9月26日 労経速1983号16頁
- 併存組合下での組合事務室貸与拒否が不当労働行為にあたるとした原判決が維持された例。
- 橋本 孝夫 (北海道大学大学院)
- 日本瓦斯(日本瓦斯運輸整備)事件 東京地判 平成19年3月30日 労働判例942号52頁
- 4回目の休職の期間満了にさいして、診断書を提出せず、体調について以前と変化がないと回答したXに対して、5度目の休職を発令せず、4回目の休職の期間満了を持って退職扱いとしたことに何ら不当な点はなく、Y1社の就業規則に基づき、同日の経過をもって退職の効力が発生したというべきであるとされた例。
● 1月26日
- 片桐 由喜 (小樽商科大学)
- 外国人の社会保障 ―― 3案の検討とあるべき制度構造
- 嶋田 佳広 (札幌学院大学)
- 最低生活保障制度の変容 ―― 就労支援型公的扶助の特徴と課題
▼ 2月
● 2月1日 (金)――立法過程研究会との共同開催
- ハオ・フェンミン(台湾国立中正大学法学院長),リ・レンミャウ(台湾国立中正大学副教授),加藤智章(新潟大学),小山剛(慶応大学)
- 国民年金制度改革の現状と問題点――台湾と日本の比較
● 2月2日
- 所 浩代 (北海道大学大学院)
- 雇用における精神障害者保護法理――アメリカ法制の研究
- 三浦 保紀 (北海道大学大学院)
- オリエンタルモーター(賃金減額)事件 東京高判 平成19年4月26日 労働判例940号33頁
- 労働者の疾病に照らし、従前の経歴などを踏まえたうえで障害の程度を考慮した適切な代わりの業務に就けるよう配慮することが要請される、とした事例。
● 2月9日
- 湊 栄市 (北海道大学大学院)
- NTT東日本(首都圏配転)事件 東京地判 平成19年3月29日 労働判例937号22頁
- 配転が不法行為を構成するとしてなされた慰謝料請求が認められなかった例
- 参考: NTT東日本(北海道・配転)事件 札幌地判 平成18年9月29日 労働判例928号37頁
- 参考: NTT西日本(大阪・名古屋配転)事件 大阪地判 平成19年3月28日 労働判例946号130頁
- 大石 玄 (北海道大学大学院)
- 大林ファシリティーズ(オークビルサービス)事件 最二小判 平成19年10月19日 労働判例946号31頁 〔→裁判所〕
- 不活動時間が労基法上の労働時間に該当するか否かは、使用者の指揮命令下に置かれていたと評価できるか否かによって客観的に定まり、当該時間に労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には、労働からの解放が保障されているとはいえず、労働者は使用者の指揮命令下に置かれているというのが相当とされた例。
● 2月16日
- 久末 弥生 (北海道大学大学院)
- 戸谷 義治 (北海道大学大学院)
- 企業倒産に伴う労働関係法理の研究――特にフランスにおける解雇と従業員代表の手続参加について
▼ 3月
● 3月1日
- 村田 英之 (弁護士), 多田 真之介 (弁護士)
- JR東労組(浦和電車区)事件 東京地判 平成19年8月31日 判例集未登載
- Z組合の組合員ら7名が,同組合所属の組合員Aのとった言動に立腹して多数の威力を示しながら組合脱退ないし退職をするよう申し向けたとされることにつき,かかる行為が刑法223条にいう強要罪にあたるとされ,懲役1〜2年(執行猶予3〜4年)の刑に処せられた例。
- 久慈 享 (北海道大学大学院)
- 労働者派遣における派遣先の直接雇用義務における一考察
- 鈴木 真史 (北海道大学大学院)
● 3月8日
- 辻村 昌昭 (淑徳大学)
- 全自交大阪地方連合会・佐野南海交通労組事件 大阪地堺支判 平成18年5月31日 判タ1252号223頁
- 会社の解散を理由に解雇された子会社の従業員につき、法人格否認の法理を適用して、親会社の指示に基づいて解散会社と同一の事業を営む別会社に労働契約上の責任を認めた例。
淺野 高宏 (弁護士)
- アイスペック・ビジネスブレイン(賃金請求)事件 大阪地判 平成19年4月6日 労働判例946号119頁
- 朝田 とも子 (北海道大学大学院)
- 北海道教職員組合(時間外勤務)事件 札幌高判 平成19年9月27日 →裁判所
- 北海道教職員組合(時間外勤務)事件 札幌地判 平成16年7月29日 →裁判所
- 公立学校の教育職員であった控訴人らが、時間外勤務等を行ったとして、時間外勤務等手当の支払を求めた例。
- 給特法、給特条例制定の趣旨からすると、教育職員がプロフェッションの一員であるとの自覚のもと、自主的に正規の勤務時間を越えて勤務した場合にはその勤務時間が長時間に及ぶとしても、時間外勤務等手当は支給されないと解するのが相当であるとされた例。
● 3月22日
- 本久 洋一 (小樽商科大学)
- 労働契約法(平成19年12月5日法律第128号)の検討
- 山田 哲 (東京農大非常勤講師)
- NTTグループ企業事件 東京地判平19年10月19日 労働判例948号5頁
- 規約型企業年金について,受給権の内容に変更を生じさせる規約の変更を不承認とした厚生労働大臣の処分の取消しを求めた例。
● 3月29日
- 道幸 哲也 (北海道大学)
- 大石 玄 (北海道大学大学院)
- 国・中労委(JR東日本〔千葉動労・報奨金〕事件 東京高判 平成19年5月17日 労働判例948号23頁
- ストライキに際して代替要員の確保に応じた多数派組合らに対して報奨金を支給したことが不当労働行為に当たるとした労働委員会の救済命令につき、これを違法として取り消した一審判決が取り消された例。
▼ 4月
● 4月5日
- 橋本 孝夫
- 中野区保育園(非常勤保育士解雇)事件 東京高判 平成19年11月28日 労働判例951号47頁
- 地方公共団体が長期にわたり1年間の任用期間を繰り返して任用していた非常勤保育士の再任用を拒否したことにつき,再任用の期待権を違法に侵害したとして慰謝料の支払いを命じた事例。
- 山梨県昭和町(嘱託職員不再任)事件 最三小決 平成19年10月2日 労働判例946号186頁
- 任命権者が再任用を希望していた当該嘱託員につき合理的理由がないのに差別的な取扱いを行って再任用をしなかったときには国家賠償法上違法となると判示した控訴審判決に対する上告が棄却された例。
- 巽 敏夫 (社会保険労務士)
● 4月12日
- 吉田 邦彦 (北海道大学)
- おかざき事件 大阪高判 平成19年1月18日 判時1980号74頁
- 小規模会社の専務取締役であった者が出張中に投宿先で就寝中に急性循環不全で死亡したことにつき,会社に安全配慮義務の履行に関する懈怠があったとして損害賠償責任が認められた例。
- 所 浩代 (北海道大学大学院)
- 近年のうつ病自殺と安全配慮義務に関する裁判例の検討
- 積善会病院事件 大阪地判 平成19年5月28日
労判942号25頁
- JR西日本尼崎電車区事件 労判931号51頁
- みずほトラストシステムズ事件 労判934号46頁
- 山田製作所事件 労判937号109頁
- ボーダフォン事件 労判939号61頁
- 戸谷 義治 (北海道大学大学院)
- 足場設置業者(身元保証)訴訟 福岡高判 平成18年11月9日 判時1981号32頁
- 被用者であった者が工事代金を着服したため,その親族と使用者との間で,再び同様の行為があった場合には損害金の支払いをする約束をしていた事案につき,身元保証ニ関スル法律5条の趣旨に従い一定の範囲に限定された例。
● 4月19日
- 稼農 和久 (北海道大学公共政策大学院教授)
- 川久保 寛 (北海道大学大学院)
- 健康保険受給権確認請求事件 東京地判 平成19年11月7日 判例タイムズ1261号121頁
● 4月26日
- 中川 純 (北星学園大学)
- 個別労働紛争解決制度におけるあっせんとメディエーション
- 三浦 保紀 (北海道大学大学院)
- 国・中労委(根岸病院・初任給引下げ団交拒否)事件 東京高判 平成19年7月31日 労判946号58頁
- 非組合員である新規採用者の労働条件に関する問題は義務的団交事項に当たらないとしていた第一審の判断が退けられた例。
▼ 5月
● 5月10日
- 淺野 高宏 (弁護士)
- 杉本商事事件 広島高判 平成19年9月4日 労判952号33頁
- 賃金債権としては時効により消滅している過去の時間外勤務手当につき,不法行為に基づく損害賠償請求を棄却していた第一審判決が変更された例。
- 斉藤 善久 (北海道大学協力研究員)
- 退職金請求控訴事件 東京高判 平成19年10月30日 判例時報1992号137頁
- 就業規則の変更について,従業員にたいし実質的に周知されたとは認められないとして,無効であると判断された例。
● 5月24日
- 開本 英幸 (弁護士)
- 中谷倉庫事件 大阪地判 平成19年4月19日 労判948号50頁
- 日刊工業新聞社事件 東京地判 平成19年5月25日 労判949号55頁
- 山田 哲 (東京農業大学講師), 戸谷 義治 (北海道大学大学院)
- AIGエジソン生命労働組合事件 東京地判 平成19年8月27日 労判954号78頁
- 協定の締結により退職年金等請求権が侵害されたとはいえないとして,損害賠償請求が退けられた事例
● 5月31日
- 多田 真之介 (弁護士)
- 損害賠償請求事件 仙台地判 平成19年8月23日 判例集未登載
- 派遣先と派遣元との契約が解除された場合,労働者と派遣元との雇用契約もこれによって終了し,これを理由とする解雇はやむを得ない事由に該当するとされた例
- 本久 洋一 (小樽商科大学)
- 親子会社と労働法――学会報告スキーム
- 参考文献) 本久「親子会社と労働法」早稲田大学21世紀COE叢書『企業社会の変容と法創造』第6巻所収(日本評論社,近日公刊)
▼ 5月
● 6月7日
- 三浦 保紀 (北海道大学大学院)
- 神奈川都市交通事件 最一小判 平成20年1月24日 労働判例953号5頁
- タクシー乗務員の業務上負傷による休職と会社の休業補償義務
- 片桐 由喜 (小樽商科大学)
- 身体障害者居宅生活支援費不支給決定処分取消請求控訴事件 大阪高判 平成19年9月13日 公刊物未登載〔→裁判所〕
● 6月14日
● 6月21日
- 湊 栄市 (社会保険労務士)
- 日本マクドナルド事件 東京地判 平成20年1月28日 労判953号10頁
- 戸谷 義治 (北海道大学大学院)
- 内部告発損害賠償請求事件 東京地判 平成19年11月21日 判例時報1994号59頁
- 退職した元従業員が,取引先に対して不正請求のあったことを内部告発したため取引先との取引が解消された場合につき,元従業員の内部告発は正当行為に当たるとされ,不法行為が否定された例。
● 6月28日
- 淺野 高宏 (弁護士)
- J社(退職手当)事件 札幌地判 平成20年5月19日 (判例集未登載)
- 横領行為があったとして懲戒解雇された者からの退職金請求につき,当該会社の退職手当制度は賃金の後払い的性格が相当に強いものであるとされ,重大な不信行為があったとはいえない本件事情の下では7割を不支給とする限度でのみ合理性を有するとされた例。
- 松久 三四彦 (北海道大学), 大石 玄 (北海道大学大学院)
- 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(国労不採用・損害賠償請求)事件 東京地判 平成20年3月13日 (判例集未登載)
- JR各社に採用されず国鉄清算事業団職員となって3年経過した後(平成2年4月)に解雇された組合員らによる損害賠償請求につき,救済命令取消訴訟の進行中は不当労働行為の責任を負う者は明らかでなかったのであるから最高裁判決時(平成15年12月)を消滅時効の起算点とするべきであるとの原告組合員らの主張が斥けられた例。
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