▼ 7月
- 7月12日
- 倉田 聡 (北海道大学)
保育園入園不承諾処分取消請求事件 さいたま地判 平成14年12月4日 判例集未登載
- 保育所入所選考のための判断基準として、母親の状態に着目して保育に欠ける程度を判
断するという母指数方式による選考は児童福祉法24条3項所定の「公正な方法」で実施されたものであって、瑕疵のない適法
なものと認められるのであるから、それに基礎をおく本件処分は、当然適法なものというべきであるとして、保育園入園不承諾処分の取消請求が棄却された例。
- 三浦 保紀 (北海道大学大学院)
損害賠償請求控訴事件 〔控訴審〕 東京高判 平成14年2月6日 判時1791号63頁
損害賠償請求控訴事件 〔第一審〕 横浜地判 平成13年1月26日 判時1791号
68頁
- 在留資格のない外国人が国民健康保険法5条にいう「住所を有する者」に該当せず、この者に対する国民健康保険被保険者証を交付しない旨の処分が違法ではないとして、過分に負担することになった治療費等の損害賠償請求が棄却された例。
- 7月18日 ‐ 知的財産法および民事法研究会との合同開催
- 吉田 広志 (北大法学部助教授)
職務発明を巡る最近の裁判例から
- 最判 平成15年4月22日 〔通称オリンパス事件〕 裁時1388号5頁/労判846号5頁
- 東京地判 平成14年11月29日 〔通称日立事件〕 判時1807号33頁/判タ1111号96頁
- 東京地判 平成14年9月19日 〔通称中村事件/青色発光ダイオード事件〕 判時1802号30頁/判タ1109号94頁
- 参考文献: 「職務発明における対価の算定・消滅時効の起算点について(1)(2)」 パテント55巻7号53頁、同8号55頁(2002年)
- 7月19日
- 家田 愛子 (札幌学院大学)
地公災基金岩手県支部長(平田小学校教諭)事件 〔控訴審〕 仙台高判 平成14年12月18日 労判843号13頁
地公災基金岩手県支部長(平田小学校教諭)事件 〔第一審〕 盛岡地判 平成13年2月23日 労判810号56頁
- 小学校教諭の自殺が、過重な公務によりうつ病に罹患し、自殺念慮発作によって生じたものと認め、死亡と公務との間に相当因果関係があるとした一審判決が取り消された例。
- 大澤 将 (北海道大学大学院)
日本ガイダント仙台営業所事件 仙台地決平成14年11月14日 労判842号56頁
- 労働者の賃金を従前の約半分とすることについて客観的合理性があるとはいえないから、本件配転命令に基づく労働者の降格は無効であり、降格が無効である以上、本件配転命令に基づく賃金の減少を根拠づけることができなくなるから、賃金減少の原因となった給与等級の営業事務職への配転自体も無効となり、本件配転命令全体を無効というべきであるとされた例。
- 7月26日
- 北岡 大介 (北海道大学大学院)
近時の判例法理における管理職の労働時間適用除外の可否をめぐって
- 育英舎事件 札幌地判 平成14年4月18日 労判839号58頁
- 東建ジオテック事件 東京地判 平成14年3月28日 労判827号74頁
- ジャパンネットワークサービス事件 東京地判 平成14年11月11日 労判843号27頁
- 学習塾の営業課長につき、人事管理を含む管理業務全般について、形式的にも実質的にも裁量的な権限はなく、出退勤につきタイムカードへの記録が求められ、賃金面においても管理・監督者にふさわしい待遇がなされてはいないとして、労基法41条2号の管理・監督者に該当するとはいえないとされた例――他
- 國武 英生 (北海道大学大学院)
京都信用金庫(移籍出向)事件 〔控訴審〕 大阪高判 平成14年10月30日 労判847号69頁
京都信用金庫(移籍出向)事件 〔第一審〕 京都地判 平成12年6月15日 判例集未登載
- 被控訴人らに雇用契約の継続を困難にさせる背信・背任の行為はなく、被控訴人の信頼関係を破壊する事情は存在しないとして、確認証により移籍出向期間の満了時に移籍元企業(控訴人会社)へ復帰したものとされた例。
▼ 8月
- 8月2日 ‐ 北海道クールセミナー@奈井江
- 道幸 哲也 (北海道大学)
協約による労働条件の不利益変更と公正代表義務
- 本久 洋一 (小樽商科大学)
企業の境界と雇用責任 ── 裁判例、比較法を素材に
- 8月3日 ‐ 北海道クールセミナー@奈井江
- 加藤 智章 (新潟大学)
交通事故診療における医療費適正化問題について
- 倉田 聡 (北海道大学)
社会保障法における被用者保険の意義
- 8月4日 ‐ 北海道クールセミナー@奈井江
- 紺屋 博昭 (弘前大学)
斉藤 善久 (日本学術振興会特別研究員)
労働者の企業秘密漏洩と懲戒権の行使
- コニカ(東京事業場日野)事件 〔控訴審〕 東京高判 平成14年5月9日 労判834号72頁
コニカ(東京事業場日野)事件 〔第一審〕 東京地判 平成13年12月26日 労判834号75頁
- 西岡家具工芸社事件 大阪地判平成14年7月5日 労判833号36頁
- 日本リーバ事件 東京地判平成14年12月10日 労判845号44頁
- 浅野 高宏 (弁護士)
時短措置に伴う賃金規程の不利益変更の効力
- 九州運送事件 大分地判 平成13年10月1日 労判837号76頁
- 8月30日
- 小宮 文人 (北海学園大学)
最近の労働者の適格性と業績悪化を理由と解雇の効力に関する判例
- 東京土木建築健康保険組合事件 東京地判 平成14年10月7日 労経速1821号14頁
- 弥生工芸事件 大阪地決 平成14年2月20日 労経速1825号41頁
- 高島屋工作所事件 大阪地判 平成11年1月29日 労判765号68頁
- 尼崎築港事件 東京地決 平成12年7月31日 労判797号49頁
- 山田 哲 (北海道大学)
三和交通事件 大阪地判 平成14年10月4日 労判843号73頁
- 就業規則の解雇規定に、解雇事由として「営業収入が最低賃金額と会社経費等の額の合算額を下回り、
技能、能率が著しく劣ると会社が認めたとき」と定めたのは、賃金の最低額を保障する最低賃金法の趣旨を没却するものであって、無効であるといわざるをえないとされた例。
▼ 9月
- 9月6日
- 道幸 哲也 (北海道大学)
組合申立ての法理
- 国労組合員採用差別(本州)事件訴訟参加申立て事件 最一小決平成14年9月26日 判時1807号152頁
- 所属する労働組合の救済申立てに係る救済命令の取消訴訟について、救済を申し立てなかった労働者が行政事件訴訟法22条1項にいう「訴訟の結果により権利を害される第三者」に当たるとして参加を求めた訴えが却下された例。
- 國武 英生 (北海道大学大学院)
研修費用等の返還義務と労基法16条の効力
- 徳島健康生活協同組合事件 〔控訴審〕 高松高判平成15年3月14日 労判849号90頁
徳島健康生活協同組合事件 〔第一審〕 徳島地判平成14年8月21日 労判849号95頁
- 日本ポラロイド(サイニングボーナス等)事件 東京地判平成15年3月31日 労判849号75頁
- アール企画事件 東京地判平成15年3月28日 労判850号48頁
- 9月13日
- 橋本 孝夫 (北海道大学大学院)
中央労基署長(大島町診療所)事件 東京地判平成15年2月21日 労判847号45頁
- 労基署長が、診療所による宿日直勤務許可申請の内容が申請段階において上記の許可基準を満たして
いないにもかかわらず、申請を許可したことが違法であるとして、国に対し、慰謝料として50万円、代理人費用として10万円の損害賠償が命じられた例。
- 大澤 将 (北海道大学大学院)
小田急電鉄(退職金請求)事件 東京地判平成14年11月15日 労判844号38頁
- 鉄道会社の従業員である原告が私生活上で行った電車内の痴漢行為につき、これによって被告会社の名誉、信用その他の社会的評価の低下毀損につながるおそれがあると客観的に認められるとして、原告に対する懲戒解雇及び退職金不支給措置が有効とされた例。
- 9月20日
- 本久 洋一 (小樽商科大学)
労働関係における法人格否認の法理の再検討
- 三浦 保紀 (北海道大学大学院)
年功給等の廃止・完全歩合給賃金体系の導入と就業規則による不利益変更
- 県南交通事件 〔控訴審〕 東京高判 平成15年2月6日 労判849号107頁
県南交通事件 〔第一審〕 浦和地判 平成13年2月16日 労判849号114頁
- 新富自動車事件 富山地判平成15年1月16日 労判849号121頁
- 9月27日
- 倉田 聡 (北海道大学)
勧告無効等確認請求控訴事件 福岡高判 平成15年7月17日 判例集未登載 (平成14年(行コ)第32号)
- 医療法30条の7に基づいて、都道府県知事が病院等を開設しようとする者に対して行う病院等開設の中止勧告は、
行政事件訴訟法3条2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に該当し、抗告訴訟の対
象になる とした例。
- 北岡 大介 (北海道大学大学院)
障害基礎年金支給停止処分無効確認等請求事件 平成14年12月17日 和歌山地判 判例集未登載 (平成11(行ウ)第3号)
- 5年間にわたり地方公務員等共済組合法に基づく特別支給の退職共済年金と障害基礎年金との併給を受けていた原告が、
老齢基礎年金への裁定替えに伴い、従前の併給が国民年金法20条1項に基づき調整されるべきであった事が明らかとなり、
社会保険庁長官が告知聴聞を行うことなく障害基礎年金の支給停止処分及び同年金の過誤払いによる額を老齢基礎年金の内払いとみなす国民年金法21条1項による調整処分を行った事が、憲法25条、13条、14条及び31条に違反せず、又、原告の信頼を害する信義誠実の原則に違反しないとされた例。
▼ 10月
- 10月4日
- 中川 純 (北星学園大学)
大建工業事件 大阪地決 平成15年4月16日 労判849号35頁
- 18か月の病気休職期間を経た労働者が、使用者において就労することが可能であると判断できるだけの資料を全く提出せず、結局、使用者は、労働者が治癒したと判断することができなかったのであるから、解雇には社会通念上相当な合理的理由があるとされた例。
- 巽 敏夫 (社会保険労務士)
徳洲会野崎徳洲会病院事件 大阪地判 平成15年4月25日 労経速1837号23頁/労判849号151頁
- レセプト作成等の業務を遅滞させることは許されなかったのであるから、所定労働時間外に業務を処理することは
命令権者において当然容認されていたというべきであり、原告の時間外労働については被告の黙示の業務命令に基
づくものと評価できるとして、病院医事科職員による2年分の未払時間外手当等の請求が認容された例。
- 10月11日
- 片桐 由喜 (小樽商科大学)
韓国社会保障立法の契機とその展開過程
- 佐藤 真澄 (北海道大学大学院)
介護保険料賦課処分取消請求等杉尾訴訟 札幌高判 平成14年11月28日 判例集未登載
介護保険料賦課処分取消請求等杉尾訴訟 旭川地判 平成14年5月21日
- 介護保険法に基づく平成12年度賦課処分及び本件減免非該当処分の取消しを求める請求についても、平成13年度賦課処分の無効の確認を求める請求についても理由がないとして、これらのいずれも棄却された例。
- 10月18日
- 新谷 眞人 (北海学園北見大学)
昭和シェル石油(賃金差別)事件 東京地判 平成15年1月29日 労判846号10頁
- 被告会社の原告女性に対する賃金に関する男性との差別的取扱いは、故意または過失による違法な行為として、不法行為となり、被告は、原告に対し、これによって原告に生じた損害を賠償する義務を負い、原告は、損害賠償として、差別的取扱いがなければ受けることができたであろう賃金等と実際の賃金等の差額の支払いを求めることができるとされた例。
- 大澤 将 (北海道大学大学院)
本山製作所(別棟就労命令拒否)事件 仙台地判 平成15年3月31日 労判849号42頁
本山製作所(別棟就労命令拒否)事件 〔仮処分〕 仙台地決 昭和49年12月19日 労判221号92頁
- 不就労状態が労働者の別棟就労命令の不遵守により開始継続したものであっても、使用者が労働契約を存続させ続けている以上、別棟就労の必要性が消滅したならば速やかに労働条件を提示する義務があると
された例。
- 10月25日
- 辻村 昌昭 (淑徳大学)
ドイツにおける協約複合法理について ――ザクセン州労働裁判所2001年11月13日判決を素材として――
- 北岡 大介 (北海道大学大学院)
オークビルサービス(マンション管理員割増手当)事件 東京地判 平成15年5月27日 労判 852号26頁
- 労基法上の労働時間は使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、住込みのマンション管理員の始業前および終業後の一定時間について、使用者の指揮命令下にあったと認められた例。
▼ 11月
- 11月2日
- 11月3日
- 11月8日
- 本久 洋一 (小樽商科大学)
大阪市シルバー人材センター事件 大阪地判 平成14年8月30日 労判837号29頁
- 注文者たるシルバー人材センターと請負人たる会員の間には実質的な指揮監督関係があったとして、シルバー人材センターは、
民法715条の使用者として、被用者たる会員Aが第三者たる被害会員Kに与えた損害につき損害賠償の義務を負うとされた例。
- 林 良栄 (北海道大学大学院)
福岡西鉄タクシー事件 福岡地判 平成15年1月30日 労判848号56頁
- 本件ビラの記載内容において不正確、不適切、誇張にわたる面はあるものの、過度に挑発的な表現を用いて、ことさらに職場秩序を乱す意図を感じさせる程度には至らないものであり、その目的自体も不当とはいい難いことから、本件ビラ配布は、
被告会社の就業規則の懲戒事由に該当しないとして、原告の雇用契約上の地位確認請求が認容された例。
- 11月22日
- 橋本 孝夫 (北海道大学大学院)
日本アイビック(加給金等請求)事件 名古屋地判 平成15年2月28日 労判853号72頁
- 被告会社の、業務成績に応じて支払われる「加給金」「営業実績賞与」「ブルーチップ」について、それらは賞与的性格を持つとしても、定期賞与に関する給与規程の支給日在籍条項が当然に適用されるとはいえず、また支給日在籍要件が当事者間で合意されていたともいえないとして、退職した原告らの在職中の発生分の支払い請求を認容した例。
コープこうべ事件 神戸地判 平成15年2月12日 労判853号80頁
- 被告会社の職員であった原告らは、夏季賞与の支給対象期間満了前に、被告会社を希望退職優遇制度の適用を受けて退職したのであり、継続勤務要件を満たさないから、原告らの労働契約に基づく夏季賞与の請求は、いずれも理由がないとされた例。
- 國武 英生 (北海道大学大学院)
京王電鉄(新労組賃金等請求)事件 東京地判 平成15年4月28日 労判851号35頁
- 労組法16条は、労働協約が労働契約の内容を外部から規律する効力を定めたものであり、また、協約を締結した当事者である労働組合を離脱した者については、離脱の時点より当該労働協約の適用はないとの理由から、組合を脱退し新組合に加入した組合員には、会社と旧組合の間で締結された賞与に関する労働協約に基づく賞与請求権は発生しないとされた例。
- 11月29日
- 山田 哲 (北海道大学)
企業年金の法理論
- 三浦 保紀 (北海道大学大学院)
三洋電機サービス事件 〔控訴審〕 東京高判 平成14年7月23日 労判852号73頁
三洋電機サービス事件 〔第一審〕 浦和地判 平成13年2月2日 労判800号5頁
- 使用者は、業務上の事由により心理的負荷のため精神面での健康が損なわれていないかどうかを把握し、適切な措置を取るべき注意義務を負うとした、一審判決が維持された事例。
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▼ 12月
- 12月 6日
- 下井 康史 (新潟大学)
公務員の勤務形態多様化政策と行政法・公務員法理論
- 紺屋 博昭 (弘前大学)
解雇規定の立法経緯
- 12月13日
- 道幸 哲也 (北海道大学)
労働条件明示義務の法理
- 片桐 由喜 (小樽商科大学)
岡山セクハラ(リサイクルショップA社)事件 岡山地判 平成14年11月6日 労判845号73頁
- 使用者は被用者に対して労働契約上の付随義務として信義則上働きやすい職場環境を保つように配慮すべき義務を負い、被告会社は被告上司のセクハラ行為につき当該職場環境配慮義務を尽くしたとは認められないとして債務不履行責任を負うとされた例。
- 12月20日
- 小宮 文人 (北海学園大学)
東京女子大事件と退職追い込み
- 東京地判 平成15年7月15日 (平成12年(ワ)第27357損害賠償請求事件) 判例集未登載
- 國武 英生 (北海道大学大学院)
上野製薬事件 大阪地判 平成15年3月12日 労判851号74頁
- 本件カルテルは被告会社の黙示の業務命令に基づくものといえるが、原告は、本件カルテルの違法性を認識しつつ、責任者として本件カルテルに関与し、被告会社の取締役としてその業務を執行していたのであるから、違法な業務命令を理由とする原告の被告会社に対する慰謝料請求は排斥を免れないとされた例。
