▼ 1月
- 1月11日
- 本久 洋一 (小樽商科大学)
営業譲渡と労働契約 −理論と政策の現段階−
- 『企業組織再編に伴う労働関係上の諸問題に関する研究会報告』 (2002年8月、労働省)
- 野澤正充『契約譲渡の研究』 (2002年11月、弘文堂)
- 『企業組織等の再編に伴う労働者保護法制に関する調査研究報告書』 (2000年3月、連合総研)
- 斉藤 善久 (日本学術振興会特別研究員)
ベトナムの労使紛争と労働組合
- 1月18日
- 大澤 将 (北海道大学大学院)
住友軽金属工業(団体定期保険第1)事件 控訴審 名古屋高判 平成14年4月26日 労判829号12頁
住友軽金属工業(団体定期保険第1)事件 第一審 名古屋地判 平成13年2月5日 労判808号62頁
- 亡Aが一審被告会社との間で、同社を保険金受取人とするが、保険金が支払われた場合にはその相当額を亡Aまたはその遺族に支払うとの合意を個別にしたことを認める余地もないとして、一審原告の一審被告会社に対する相当額の支払いの請求が棄却された例。
住友軽金属工業(団体定期保険第2)事件 控訴審 名古屋高判 平成14年4月24日 労判829号38頁
住友軽金属工業(団体定期保険第2)事件 第一審 名古屋地判 平成13年3月6日 労判808号30頁
- 保険金額が社会的に相当な金額を超える場合には、原則として相当額を超える部分を団体定期保険契約の経費に充てることは許容すべきであり、ただし、保険金額がさらに大きくなり社会的に相当な金額の2倍を上回るときには、保険金額の2分の1の限度において上記経費に充てることを許容すべきであるとして、一審判決の判断が維持された例
- 1月25日
- 道幸 哲也 (北海道大学)
小宮 文人 (北海学園大学)
本久 洋一 (小樽商科大学)
中川 純 (北星学園大学)
最新労働法判例回顧
- 石黒 匡人 (小樽商科大学)
不当労働行為再審査申立却下命令取消請求事件 東京地判 平成14年10月24日 判例集未登載
- 初審命令の取消しを求めた行政訴訟の棄却判決が確定したことを理由に、労働組合法27条10項により再審査申立てを却下する決定をした被告中央労働委員会に対して、その取消しを求めた原告の本訴請求が棄却された例。
▼ 2月
- 2月1日
- 菅野 淑子 (北海道教育大学)
今川学園木の実幼稚園事件 大阪地堺支判 平成14年3月13日 労判828号59頁
- 原告幼稚園教諭が未入籍状態で妊娠したことをきっかけとする退職勧告に基づく合意解約の成立が否定され、原告に対する中絶勧告、退職強要および解雇は、雇用機会均等法8条の趣旨に反する違法な行為として不法行為責任が肯定された例。
- 三浦 保紀 (道医労連)
JR西日本(広島支社)事件 広島高判 平成14年6月25日 労判835号43頁
JR西日本(広島支社)事件 広島地判 平成13年5月30日 労判835号49頁
- 労基法32条の2に基づく1ヶ月単位の変形労働時間制がその要件として労働時間の「特定」を要求した趣旨に鑑みると、使用者が任意に勤務変更しうると解釈しうるような就業規則条項では、同条の要求する「特定」の要件を満たさないものとして無効であるとして、超過勤務手当の支払いを命じた一審判決が維持された例。
- 2月8日
- 山田 哲 (北海道大学大学院)
甲社・S社(取立債権請求)事件 東京地判平成14年2月28日 労判826号24頁
- 本件退職金規定によれば、従業員が適格退職年金規約および厚生年金規約に基づいて支払いを受ける退職一時金または選択一時金の金額に相当する部分については、被告会社は支払義務を負わないので、元従業員が受託者または基金に対して有する退職一時金または選択一時金の請求権に対して、本件差押命令の効力は及ばないとされた例。
D社・S社(取立債権請求)事件 東京地判平成14年2月28日 労判826号34頁
- 本件退職金規定によれば、勤続5年経過者の普通退職金および自己都合退職金については、基金規約所定の諸給付にかかる権利関係として、すべて基金との関係で処理するものとされ、被告会社はこれらの支払義務の主体とならないので、被告会社に対して退職金債権差押命令に基づく金員支払を求める原告の請求は理由がないとされた例。
- 北岡 大介 (北海道大学大学院)
中労委(オリエンタルモーター)事件 東京地判平成14年4月24日 労判831号43頁
- 使用者が人事考課において申立組合員に対し定期昇給、賞与査定を低く評定したことが、不利益取り扱いおよび支配介入に当たるとして救済を命じた再審査命令が、「ほかの社員の平均的な評語である“B”として計算し直し」差額の支払いを命じた部分について違法があるとして、1名を除き取り消された例。
- 2月22日
- 開本 英幸 (弁護士)
杉本石油ガス(退職金)事件 東京地判平成14年10月18日 労判837号11頁
- 組合による顧客への内部告発文書の送付に関与した原告の行為、及び組合の集会に参加した原告の行為は、被告に対する永年の功を抹消するほどの背信行為とはいえないとして、原告の退職金請求が認容された例。
東芝事件 東京地判平成14年11月5日 労経速1820号20頁
- 約1ヶ月間にわたって無断欠勤をした原告の行為は、功労を減殺するに足りる信義に反する行為といわざるをえず、原告に支給すべき退職金は、退職手当規程の基本額の50%を上回らないものと認めるのが相当であるとして退職金残金支払請求が棄却された例。
- 橋本 孝夫 (北海道大学大学院)
札幌西郵便局事件 控訴審 札幌高判 平成14年4月11日 労判833号78頁
札幌西郵便局事件 第一審 札幌地判 平成12年8月29日 労判833号83頁
- 郵便局の非常勤職員として採用された控訴人の職員としての地位は、予定雇用期間満了による退職により失われたと判断した一審判決が維持された一方、控訴人に対する辞職承認処分は、控訴人に辞職の意思がないのになされた違法な処分であるとして、慰謝料請求を棄却した一審判決を変更し、国に慰謝料10万円の支払いが命じられた例。
▼ 3月
- 3月1日
- 関 ふ佐子 (北海道大学)
関浦会事件 大阪地決 平成14年4月18日 労経速1815号13頁
- 介護老人保健施設の従業員であった債権者の勤務態度に問題があったことは否定できないが、債務者は改善の余地がないかどうか見極める必要があったというべきであり、特段本人の弁解を聞く機会も設定せずいきなり解雇という処分を行ったことは重きに失して無効であるとして、賃金仮払請求が認容された例。
- 山田 哲 (北海道大学大学院)
企業年金の法理論
- 3月8日
- 渡辺 賢 (帝塚山大学)
人事院勧告の法律問題
- 北岡 大介 (北海道大学大学院)
山昌(トラック運転手)事件 名古屋地判 平成14年5月29日 労判835号67頁
- 使用者が労働者に中古トラックを買い取らせた上で、その売上金から当該車両代、車検代、経費及び会社利益分を月賦形式で返済させ、最低保障給を下回る売り上げの月については、その差額分を貸付金として処理し、労働者に後日、返還させるとした「償却方式」を有する労働契約が、労働基準法27条及び公序良俗に反し、無効とされた例。
旭シンユウ事件 東京地判 平成14年7月8日 労判835号90頁
- 完全歩合給制度下において、販売実績がゼロであったとしても、賃金を全く支払わないとする労働契約は無効であり、最低賃金額に基づく賃金支払い請求が認容された例。
- 3月15日
- 大澤 将 (北海道大学大学院)
川崎氏水道局(いじめ自殺)事件 横浜地川崎支判 平成14年6月27日 労判833号61頁
- 職員の自殺は上司らのいじめによる精神疾患の結果生じたものであるとして、いじめ防止措置等の適切な措置を講じなかった管理職の安全配慮義務違反が認められ、市が国賠法上の責任を負うとされた例。
国際信販事件 東京地判 平成14年7月9日 労判836号104頁
- 職場内での嫌がらせが労働者を孤立化させ退職させるためのものであり、これらの事実を知りながら特段の防止措置をとらなかった事、一部の行為は業務命令として行われた事から、これらの行為が被告会社の代表者である被告らの指示・了解に基づいて行われたものであるとして、被告及び被告会社は不法行為責任を負うとされた例。
- 國武 英生 (北海道大学大学院)
湘南工科大学事件 第一審 東京地判 平成14年4月24日 判例集未登載
湘南工科大学事件 中労委命令 平成12年2月16日 判例集未登載
湘南工科大学事件 地労委命令 神奈川県地労委 平成7年12月27日
- 教授会から教授昇任候補者として推薦された者のうち、参加人3名のみを教授に任用しなかったことが労組法7条1号、3号に該当する不当労働行為であるとした救済命令の取り消し請求が棄却された例。
▼ 4月
- 4月5日
- 橋本 孝夫 (北海道大学大学院)
アジアエレクトロニクス事件 東京地判 平成14年10月29日 労判839号17頁
- 明確で具体的な希望退職の承諾条件を設定しておらず、承諾条件に関する明示および周知を欠いていることから、使用者は原告からの希望退職の申込みを受理し、不承諾の意思を告知することなく退職手続をし、そのまま退職に至らせたことにより、希望退職を承諾したものと推認するのが相当であるとして、特別加算金の支払請求が認容された例。
ソニー(早期割増退職金)事件 東京地判 平成14年4月9日 労判829号56頁
- 使用者が、原告に対し、早期割増退職金制度の適用を認めなかったことが信義に反する特段の事情があるとはいえないとして、特別加算金の支払請求が棄却された例。
- 三浦 保紀 (北海道大学大学院)
中労委(JR東日本、JRバス関東)事件 取消訴訟 東京地判平成14年6月19日 判例時報1803号122頁
中労委(JR東日本、JRバス関東)事件 再審査命令 中労委 平成11年3月3日
中労委(JR東日本、JRバス関東)事件 初審命令 群馬地労委 平成2年7月12日
- 労働組合からの脱退慫慂およびバス運転手であった組合員に対する鉄道部門への転勤命令が不当労働行為であるとした労働委員会命令が維持されたが、バス会社に対して出向受入れ等を命じた救済命令につき、バス会社は組合員の使用者にあたらないことを理由に、同命令は労働委員会の裁量権を逸脱する違法なものであるとされた例。
- 4月12日
- 和田 美江 (北海道大学大学院)
セクシュアル・ハラスメントの不法行為評価
- 文献: 和田美江 「セクシュアル・ハラスメントの不法行為評価」
北大法学論集53巻第5号 (2003年)
219頁
- 斉藤 善久 (日本学術振興会特別研究員)
ベトナムの市場経済化と労働組合
- 4月19日
- 小宮 文人 (北海学園大学)
有期労働契約の期間の意義 ―― 判例分析を中心として
- 竹田 紘子 (北星学園大学大学院)
建設省中部地方建設局(準職員)事件 控訴審 名古屋高判 平成14年10月25日 労判838号5頁
建設省中部地方建設局(準職員)事件 第一審 名古屋地判 平成12年9月6日
労判802号70頁
- 行政職俸給表(二)が適用される職員に行政職俸給表(一)が適用される職務を恒常的に遂行させたとしても、これが直ちに行政職俸給表(一)に任用すべき法的義務を生じるものではないが、法定の勤務条件を侵害する違法な措置であり、精神的、肉体的苦痛を負わせたとして、国に対し損害賠償を命じた一審判決が維持された例。
- 4月26日
- 倉田 聡 (北海道大学)
社会保障法学における『社会連帯』論の現状と課題
- 参考文献
- 倉田聡 「社会連帯の在処とその規範的意義 ――社会保障法における「個人」と「国家」そして「社会」――」 民商法雑誌127巻4/5号612頁〜641頁
- 倉田聡 「老人保健拠出金制度の問題点と健康保険事業の可能性(上)(中)(下)」 健康保険56巻9号(2002年)22頁〜29頁・同10号40頁〜48頁・同11号48頁〜57頁
- 倉田聡 「社会保険財政の法理論―医療保険法を素材とした一考察」 法学研究(北海学園大学)35巻1号(1999年)17頁〜43頁
- 北岡 大介 (北海道大学大学院)
新宿労基署長(映画撮影技師)事件 控訴審 東京高判 平成14年7月11日 労判832号13頁
新宿労基署長(映画撮影技師)事件 第一審 東京地判 平成13年1月25日 労判802号10頁
- 映画製作は監督の指揮監督の下に行われるものであり、撮影技師は監督の指示に従う義務があるもので、技師が高度な技術と芸術性を評価されたといえどもその例外ではないこと、報酬の支払方法、仕事の諾否の自由の制約及び時間的・場所的拘束性が高い事などから、技師は使用者との使用従属関係の下に労務を提供しており、労災保険法上の労働者に該当するとして原判決を取消し、遺族補償費不支給決定処分を取り消した例。
▼ 5月
- 5月10日
- 5月11日
- 5月17日
- 本久 洋一 (小樽商科大学)
日本ヒルトンホテル(本訴)事件 東京高判 平成14年11月26日 労判843号20頁
日本ヒルトンホテル(本訴)事件 東京地判 平成14年3月11日 労判825号13頁
日本ヒルトンホテル(本訴)事件 東京地決平成11年11月24日 労旬1482号31頁
- 配膳人に対する労働条件を本件通知書の内容に従って労働条件を変更することに合理的理由があること、組合との間で交渉を行っていること等の事情によれば、本件雇止めには社会通念上相当と認められる合理的理由があり、本件雇止めは有効であるとして、これを無効とした一審判決が取り消された例。
- 開本 英幸 (弁護士)
ドラール事件 札幌地判 平成14年2月15日 労判837号66頁
- 本件の改訂退職金規定はその必要性、不利益の程度、代償措置、変更手続からみて、高度の必要性に基づく合理的な内容とはいい難く、原告に対する効力は認められないとして、改訂前の退職金規定に基づく退職金の支払いが命じられた例。
- 5月24日
- 斉藤 善久 (日本学術振興会特別研究員)
國武 英生 (北海道大学大学院)
明石運輸事件 神戸地判 平成14年10月25日 労判843号39頁
- 賃金協定存続中に就業規則を変更することは、労働協約が就業規則によってより有利な定めを許容する趣旨でない限りは許されないとして、それら労働協約に抵触する就業規則の規定は無効であり、また、賃金協定の失効後も、改正前の就業規則等に賃金額等につき定めがない以上、協定に定める内容が従業員の労働契約の一部になっているとして、賃金協定に基づく賃金請求が認容された例。
佐野第一交通(差額賃金仮払)事件 大阪地岸和田支決 平成14年9月13日 労判837号19頁
- 労働協約の有効期間中に制定された労働協約に違反する新たな就業規則につき、破棄通告によって労働協約が失効したとしても、なお、従前の労働協約の定めていた旧賃金体系等の労働関係が、暫定的に継続しているとして、従前の労働協約に定められていた労働条件に従って賃金差額支払請求権があるとされた例。
ノース・ウエスト航空(賞与請求)事件 千葉地決 平成14年11月19日 労判841号15頁
- 賞与請求権は、会社が申し入れた前提条件を組合が承諾しない限り合意が成立せず、この発生が一切認められないと解すべきではなく、諸事情を考慮して、支給しないことが従前の労使関係に照らして合理性を有せず、支給しない状態を是認することにより労働者に対して経済的に著しい不利益を与える場合には、前提条件の存在を主張すること自体が信義則違反となり、合意が成立したものと扱って一時金請求権の発生を認めるべきであると解するのが相当であるとされた例。
- 5月31日
- 中川 純 (北星学園大学)
乙山鉄工事件 前橋地判 平成14年3月15日 労判842号83頁
- 身体ないし知的障害者である原告に対する解雇が、就業規則に定める「整理解雇」に当たるとして上で、会社に経営上人員削減の必要性は認められるが、整理解雇を選択する必要性、被解雇者の選定および解雇手続における相当性、合理性が認められないとして、解雇が無効とされた例。
- 巽 敏夫 (社会保険労務士)
加藤建設事件 名古屋地判 平成14年9月27日 労判840号43頁
- 旧退職金規定から新退職金規定への改正は、不利益変更ではなく、従業員に対する周知も行われていることから、退職した元従業員に適用されるのは新退職金規定であるとして、旧退職金規定に基づく差額請求が棄却された例。
▲ 先頭へ
▼ 6月
- 6月7日
- 辻村 昌昭 (淑徳大学)
国労組合員採用差別(本州)事件訴訟参加申立て事件 最一小決 平成14年9月26日 判時1807号152頁
- 所属する労働組合の救済申立てに係る救済命令の取消訴訟について、救済を申し立てなかった労働者が行政事件訴訟法22条1項にいう「訴訟の結果により権利を害される第三者」に当たるとして参加を求めた訴えが却下された例。
- 倉田 賀世 (日本学術振興会特別研究員)
遺族厚生年金不支給処分取消請求事件 東京地判 平成14年11月5日 判例集未登載
- 厚生年金保険の被保険者の死亡当時、被保険者により生計を維持されたものとは認められないとして遺族厚生年金を不支給と決定した処分は、その判断に誤りがあり違法であるとして、取り消された例。
- 6月14日
- 新谷 眞人 (北海学園北見大学)
新日本製鐵(日鐵運輸)事件 最二小判 平成15年4月18日 労経速1831号25頁
新日本製鐵(日鐵運輸)事件 福岡高判 平成11年3月12日 労経速1721号8頁
- 業務委託を継続した会社の経営判断は合理性を欠くものではなく、すでに委託された業務に従事している上告人らを対象として出向延長措置を講ずることにも合理性があり、これにより上告人らが著しい不利益を受けるものとはいえないことなどからすれば、被上告人が上告人に対し三回にわたって行った出向期間の延長措置は権利の濫用に当たるとはいえないとされた例。
- 橋本 孝夫 (北海道大学大学院)
秋保温泉タクシー(一時金仮払保全異議)事件 仙台高決 平成15年1月31日 労判844号5頁
秋保温泉タクシー(一時金仮払保全異議)事件 仙台高決 平成13年2月26日 労判844号13頁
秋保温泉タクシー(一時金仮払保全異議)事件 仙台地決平成12年2月22日 判例集未登載
- 債権者らの債務者に対する、本件一時金支給合意、すなわち労働契約に基づく、一時金支給請求権の成立を一応認めることができ、仮に、本件一時金支給合意に労働契約としての効力が認められないとしても、債権者が、本件一時金支給合意の労働契約が締結されていないと主張することは、信義則上許されないとされた例。
- 6月21日
- 紺屋 博昭 (弘前大学)
フレックスジャパン事件 大阪地判 平成14年9月11日 労判840号62頁
- 企業の正当な利益を考慮することなく、企業に移籍計画を秘して、大量に従業員を引き抜くなど、引抜き行為が単なる勧誘の範囲を超え、著しく背信的な方法で行われ、社会的相当性を逸脱した場合には、このような引抜き行為を行った従業員は、雇用契約上の義務に違反したものとして、債務不履行責任ないし不法行為責任を免れないとされた例。
- 大学院生による論文計画プレゼンテーション
- 6月28日
- 林 良栄 (北海道大学大学院)
大阪空港事業(関西航業)事件 控訴審 大阪高判 平成15年1月30日 労判845号5頁
大阪空港事業(関西航業)事件 第一審 大阪地判平成12年9月20日 労判792号26頁
- 被控訴人会社による下請会社との業務委託契約解除は、組合の弱体化を図ることを目的として実施したことがうかがわれるとしても、被控訴人会社による下請会社に対する支配があったとまで認めることはできないとして、法人格否認の法理の適用が否定され、また、控訴人らと被控訴人会社との間に黙示の労働契約が成立したとは認められないとして、控訴人らによる被控訴人会社に対する地位確認等の請求を棄却した一審判決を相当として控訴が棄却された例。
- 三浦 保紀 (北海道大学大学院)
中労委(北海道旅客鉄道・日本貨物鉄道)事件 東京高判 平成14年10月24日 労判841号29頁
中労委(北海道旅客鉄道・日本貨物鉄道)事件 東京地判 平成12年3月29日 労判841号46頁
- 特定組合の組合員であること等を理由とする採用拒否は不当労働行為となるが、国鉄改革の重要性、公益性等に照らせば、本件職員採用のための候補者選別に際し、JR(設立委員)が分割民営化に反対する組合の行動を相当程度の重みをもって考慮したとしても、特別な状況の下で労働者の団結権保障と企業の採用の自由との調和点として不当労働行為にはあたらないとされた例。
